市街化区域内にある農地の所有権の一部を移転したいという相談をよく受けます。一部持分を移転後進入路として共同利用したい場合などが主な理由として挙げられます。
農地の所有権全部を移転する場合には届出書の譲渡人欄に土地所有者を、譲受人欄に土地購入者・受贈者などを記載すれば大丈夫ですが、一部移転の場合は書き方が少し異なります。
例えば農地の所有権の全部ではなく2分の1を移転する場合、土地所有者は譲渡人欄と譲受人欄の両方に記載します。譲受人欄の氏名欄に一部所有権移転後の持分(持分2分の1)も記載します。所有権の一部を譲り受ける者も譲受人欄の氏名欄に譲り受ける持分(持分2分の1)を氏名欄に記載します。
譲渡人欄・譲受人欄にそれぞれ記載するのが好ましいですが、同一人物の情報を2回記すことになり少々手間が掛かってしまうことから、当事者の住所・氏名を記載する継続用紙に記載をすることも認められております。
継続用紙には4条届出者、5条譲渡人・貸人、5条譲受人・借人の項目が記載されており、項目の前にある該当欄にチェック(□にレ点などを記入)できるようになっております。5条譲渡人・貸人、5条譲受人・借人の両方該当欄にチェックを入れ、氏名欄に所有権一部移転後の持分を記入すれば、1度の記載で届出書を作成することができます。
農地を3人で3分の1ずつ所有しており、うち1人のみ所有権移転登記する場合には所有権を移転しない持分所有者も5条譲渡人・貸人、5条譲受人・借人の両方該当欄にチェックを入れ、現在の持分(持分3分の1)を氏名欄に記載すれば2人の所有権を移転することなく届出書を完成させることもできます。
弊事務所では所有権の一部を移転するための農地法に基づく手続きにつきましても対応をしております。複雑な手続きになりますのでお困りになりましたら弊事務所までお気軽にお問い合わせください。