農地の所有権を取得する際に国籍の報告が義務付けられました

令和5年9月1日(金)以降農地を取得するための許可申請書(農地法第3条許可申請)または相続などにより農地を取得した際に行う届出書(農地法第3条の3届出)の様式に農地を取得するもの(譲受人)が個人の場合は国籍や在留資格、法人の場合は主要株主の国籍を記載する欄が追加されました。国籍欄が追加されたことにより、農業委員会事務局で管理している農地台帳にも国籍が記載されることになります。

農林水産省では定期的に外国法人等による農地取得に関する調査の結果を公表しております。公表結果では『外国人と思われる者による農地取得』と外国籍の方が購入したかどうかあいまいな表現ですが、今後国籍を記載することが義務付けられましたので、外国籍の方が取得した農地の面積が確実なデータとして公表されることになります。

日本人の場合追加された国籍欄には『日本』と記載すれば大丈夫で、在留資格欄に記載は求められません。新たに農地の所有権を取得した場合に国籍欄に記載するとありますが、賃貸借や使用貸借など権利を設定する際の許可申請書の様式も同一のものになりますので、同じく国籍を記載する必要があります。

令和5年9月1日より新様式にての許可申請書・届出書が用いられておりますが、市区町村によっては国籍欄が記載されていない旧来の様式であっても、農業委員会事務局の窓口で国籍を追記すれば申請書・届出書を受け付けていただけるとのことです。

日本船籍を有する場合、日本国民の所有に属することや日本の法令により設立された会社でその代表者の全員及び業務を執行する役員の3分の2以上が日本国民なるものの所有に属すること、上記以外の法人で日本の法令により設立されその代表者の全員が日本国民なるものの所有に属することなど国籍に関する要件が厳格に定められておりますが、現行の農地法はここまで厳格に定められておらず日本国籍かどうかを把握しやすくするために記載を求めるに留められております。

新たな農地取得者の国籍を把握した結果、今後日本船舶の要件の様に国籍要件が厳格化されることも十分考えられます。

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