道路法24条の施行承認申請とは?費用や流れをわかりやすく解説

ご自宅の工事で「道路法24条の許可」が必要と言われましたか?

ご自宅の新築を計画中、工務店やハウスメーカーの担当者から「道路法24条の施行承認申請が必要です」と告げられ、戸惑いを感じていらっしゃるかもしれません。「むずかしい言葉で、何のことかよくわからない」「これから何を進めれば良いのだろう」と、不安に思われるのも当然です。

どうぞご安心ください。この記事では、その「道路法24条」について、どなたにもご理解いただけるよう、一つひとつ丁寧に解説していきます。

これは、難しい法律の話というよりも、ご自身の工事を安全に進め、そして地域全体の暮らしを守るための大切なルールです。この記事を最後までお読みいただければ、手続きの基本的な意味から、具体的な流れ、費用のことまで、全体像が明確になるはずです。まずは肩の力を抜いて、一緒に確認していきましょう。

そもそも「道路法24条の施行承認申請」とは?

「道路法24条の施行承認申請」とは、「道路を管理している役所の道路について、役所以外の人が道路の工事をするときに、工事の内容を事前に見てもらい、進めてよいか確認してもらう手続き」のことです。なお、内容が軽い道路の手入れなどは、承認がいらない場合もあります。皆の安全を守るために、とても重要な役割を果たしています。

道路法24条の施行承認申請の対象となる歩道切り下げ工事のイメージイラスト。若い夫婦が新築中のマイホームを見守っている。

なぜ個人の工事に役所の承認が必要なの?

「自分の家の前の工事なのに、どうして役所の承認がいるの?」と疑問に思われるかもしれません。その理由は、道路が個人のものではなく、地域に住む人みんなが使う「公共の財産」だからです。

例えば、ご自宅の駐車場へ車が入りやすいように歩道の段差をなくす工事をするとします。もし、その工事のやり方が適切でなかったらどうなるでしょうか。歩道に不自然な傾斜ができてしまい、車椅子やベビーカーを利用する方が通りにくくなったり、雨水がうまく流れずに水たまりができやすくなったりするかもしれません。また、道路の下には水道管やガス管といった、私たちの生活に欠かせない大切なライフラインが埋設されていることもあります。

個々の工事が、全体の交通の安全性や道路の構造に悪い影響を与えないように、道路の代理人である役所が事前に計画をチェックする。この承認制度は、私たちみんなが安全で快適に暮らすために不可欠な仕組みなのです。

よく似た「道路法32条(占用許可)」との違い

道路に関する手続きには、道路法24条とよく似たものに「道路法32条(占用許可)」というものがあります。この二つは混同されがちですが、目的が全く異なります。

主な違いは、工事でできたものを、その後「誰が持つか」という点です。

  • 道路法24条(施行承認):工事で作った施設を道路管理者に「あげる」イメージです。例えば、切り下げた歩道は工事後に道路の一部となり、その後の管理は役所が行います。
  • 道路法32条(占用許可):特定の場所を継続的に「借りる」イメージです。例えば、自宅から出る排水管を道路の地下に埋設する場合、その排水管は個人の所有物のまま、場所だけを借り続けることになります。したがって、維持管理の責任も個人にあります。
道路法24条(施行承認)道路法32条(占用許可)
イメージ施設を道路管理者に「あげる」場所を道路管理者から「借りる」
所有権工事完了後、道路管理者のものになる申請者の所有物のまま
維持管理道路管理者が行う申請者が行う
具体例歩道の切り下げ、ガードレールの撤去排水管の埋設、看板の設置
道路法24条と32条の主な違い

より具体的な浄化槽からの排水で道路を占用するケースについては、別の記事で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。

どんな工事が対象?具体的なケースと注意点

では、具体的にどのような工事で施行承認申請が必要になるのでしょうか。ここでは、住宅建築でよく見られるケースをご紹介します。

道路法24条の施行承認申請の対象となる工事の具体例を図解したインフォグラフィック。歩道切り下げ、側溝、盛り土、コンクリート補強の例が示されている。

代表例:駐車場のための「歩道の切り下げ工事」

最も代表的な例が、ご自宅の駐車場に車をスムーズに出し入れするために、歩道の縁石を低くする「歩道切り下げ工事」です。歩道は歩行者の安全を守るための大切な空間であり、その形状を変えることは、道路全体の構造に影響を与えます。

そのため、切り下げる幅や場所、勾配などが、定められた基準に合っているかを役所が事前に確認する必要があります。これにより、歩行者の安全が確保され、道路としての機能が保たれるのです。

意外と見落としがち?側溝・盛り土・コンクリート補強

歩道の切り下げ以外にも、注意が必要な工事があります。これらは「これくらいなら大丈夫だろう」と自己判断してしまいがちなケースですが、承認が必要となることが少なくありません。

例えば、道路脇にある側溝の作り替えや、蓋の入れ替えはもちろんのこと、側溝とご自身の土地との境界にある、わずか数センチの隙間を埋めるための盛り土やコンクリート補強であっても、施行承認申請が必要になる場合があります。

道路に隣接するわずかな工事が、水の流れを変えてしまったり、道路の強度に影響を与えたりする可能性があるためです。ご自身の計画している工事が対象になるか少しでも迷った場合は、必ず事前に役所の担当窓口へ確認することが大切です。なお、近年では安全確保の観点から盛り土に関する規制も強化される傾向にあります。

申請にかかる費用と期間の目安は?

手続きを進める上で、費用と期間は最も気になる点かと思います。

まず費用についてですが、役所に支払う申請手数料そのものは、多くの自治体で無料となっています。ただし、これはあくまで申請手続きの手数料の話です。

工事にかかる費用(工事費、設計費、測量費など)は、すべて申請する方の自己負担となります。なぜなら、この工事は「公共のため」ではなく、「個人の利益のため(例:車を入れやすくしたい)」に行うものだからです。この点は、しっかりと予算計画に含めておく必要があります。

次に期間ですが、申請書類を出してから承認が出るまでの期間は、自治体にもよりますが、標準処理期間として2週間から3週間程度を示している例があります。ただし、これはあくまで目安です。書類に不備があったり、工事内容について役所との協議が長引いたりした場合には、さらに時間がかかることもあります。住宅の完成時期などにも関わってきますので、スケジュールには十分な余裕を持っておくことが重要です。

施行承認申請の基本的な流れ【5ステップで解説】

複雑に思える申請手続きも、ステップごとに分解して考えれば、決して難しいものではありません。ここでは、基本的な流れを5つのステップに分けて解説します。

道路法24条の施行承認申請の基本的な流れを5つのステップで解説したフローチャート。事前相談から完了検査までの流れが図解されている。

ステップ1:道路管理者との事前相談

何よりもまず初めに行うべきことが、役所の担当窓口との「事前相談」です。工事を計画している場所の道路を管理している市区町村の役所や、県の土木事務所などが窓口となります。計画している工事内容を伝え、どのような手続きや書類が必要か、守るべき基準は何か、といったことを最初に確認します。このステップを丁寧に行うことで、後の手戻りを防ぎ、スムーズに手続きを進めることができます。

ステップ2:申請書類の作成と提出

事前相談で確認した内容をもとに、申請に必要な書類を準備します。一般的には、以下のような書類が必要となります。

  • 承認申請書
  • 案内図(工事場所がわかる地図)
  • 計画図(平面図、断面図など工事内容がわかる図面)
  • 現況写真
  • その他、役所から指示された書類

図面の作成など、ご自身で準備するのが難しい場合は、手続きにくわしい行政書士に、書類づくりや提出を手伝ってもらうことも選択肢の一つです。

ステップ3:審査と承認書の交付

提出された書類は、役所の担当者によって審査されます。計画内容が法律や条例の基準に合っているか、交通の安全に問題はないか、などがチェックされます。書類に不備がなく、内容に問題がなければ、通常2〜3週間ほどで「承認書」が交付されます。この承認書を受け取る前に工事を始めると、手続き上の問題になることがありますので、原則として工事は承認書を受け取ってから始めます。

ステップ4:工事の開始と完了

承認書が交付されたら、いよいよ工事を始めることができます。工事を始める前には「工事着手届」を、そして工事がすべて終わったら「工事完了届」を役所に提出する必要があります。もちろん、工事は承認された計画どおりに行わなければなりません。手続きによっては、農地転用許可のあとに出す完了報告が義務付けられているものも多く、忘れるとトラブルの原因となります。

ステップ5:完了検査と施設の引き渡し

工事完了届を提出すると、後日、役所の担当者による「完了検査」が行われます。これは、申請どおりに正しく工事が実施されたかを確認するためのものです。検査に無事合格すると、工事によって作られた施設(切り下げた歩道など)は役所に引き渡され、正式に道路の一部となります。これ以降、その施設の管理は役所が行うことになります。このステップをもって、一連の手続きはすべて完了です。完了報告に必要な工事が終わったあとの報告に付ける書類は、手続きによって異なります。

もし申請を忘れたらどうなる?知っておきたいリスク

「これくらいなら大丈夫だろう」と、もし承認を得ずに工事をしてしまった場合、どうなるのでしょうか。これは単に手続きを怠ったという話では済まされません。

まず、決められた手続きに反する行為となります。そして、道路を管理する役所から、「工事を止めてください」「元の形に戻してください」と求められることがあります。

そうなれば、せっかく費用と時間をかけて行った工事を、再び自らの費用で取り壊し、元に戻さなければなりません。これは、金銭的にも時間的にも、非常に大きな損失となります。このような事態を避けるためにも、必ず決められた手続きを正しく踏むことが何よりも大切です。

まとめ:道路法24条の申請は安全な街づくりの第一歩

ここまで、道路法24条の施行承認申請について解説してきました。少し複雑に感じられたかもしれませんが、この手続きは、ご自身の利益のためだけでなく、ご家族やご近所の方々、そしてその道路を利用するすべての人々の安全を守るために、なくてはならない大切なルールです。

家づくりという大きな計画の中で、一つの大切なステップと捉え、前向きに取り組んでいただければと思います。

もし、手続きの進め方に不安がある場合や、平日の日中に役所へ行く時間を確保するのが難しいといった場合には、私たちのような申請手続きをサポートする行政書士にご相談いただくのも一つの有効な方法です。煩雑な書類作成や役所との協議などを代行し、お客様が安心して家づくりに専念できるよう、スムーズな手続きの実現をお手伝いいたします。

参照:道路法

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