50戸連たん図とは?市街化調整区域の専用住宅建築を解説

市街化調整区域でも専用住宅が建てられる「50戸連たん」とは?

「市街化調整区域に土地があるけれど、家は建てられないと聞いた…」
マイホームの夢を諦めかけている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一定の条件を満たせば、市街化調整区域でも専用住宅を建てられる可能性があります。そのための仕組みとして、都市計画法第34条第11号に基づく条例指定区域(いわゆる『連たん制度』『50戸連たん』などと呼ばれるもの)を活用できる場合があります。

この記事では、市街化調整区域での専用住宅建築の鍵となる「50戸連たん制度」と、その手続きに欠かせない「50戸連たん図」について、できるだけ分かりやすく解説します。

そもそも市街化調整区域とはどんな場所?

はじめに、土地の基本的なルールについてお話しします。私たちが暮らす街は、都市計画法という法律に基づいて「市街化区域」と「市街化調整区域」などに分けられています。

  • 市街化区域:すでに市街地になっている、またはこれから計画的に市街地にしていくエリア。家やお店を建てやすい場所です。
  • 市街化調整区域:豊かな自然環境や農地などを守るため、市街化を抑えるエリア。原則として、新しい建物を建てることは制限されています。

市街化調整区域は、むやみに開発が進まないように、建物の建築に厳しいルールが設けられている場所なのです。このほかにも、市街化調整区域における建築を可能にする指定区域制度もあります。

参考:都市計画区域 – 国土交通省

50戸連たん制度の目的と仕組み

「原則は建てられないのに、なぜ例外があるの?」と疑問に思うかもしれません。50戸連たん制度は、無秩序な開発を防ぎつつも、昔からある集落の暮らしやコミュニティを維持するために作られました。

仕組みはとてもシンプルです。市街化調整区域内であっても、「すでにある程度まとまった数の家が建ち並んでいる地域」については、一定の条件のもとで新たに専用住宅を建てることを認めましょう、という考え方に基づいています。

具体的な戸数や距離要件は自治体ごとに異なりますが、一定数の住宅等がまとまって連続している既存集落として、条例等で指定された区域が対象となるのが一般的です。自治体によっては、連たん状況を示す図面の提出を求められることがあります。一方で、条例指定区域図の公表等により、申請者側で連たん状況の調査が不要となっている自治体もあります。

50戸連たん制度の仕組みを図解したインフォグラフィック。市街化調整区域内で家が50戸以上つながっているエリアでは建築が可能になることを示している。

50戸連たん制度を利用するための具体的な建築条件

それでは、実際に50戸連たん制度を利用して家を建てるには、どのような条件をクリアする必要があるのでしょうか。大きく分けて「区域」「土地」「建物」の3つの条件があります。ただし、これらの基準は自治体によって細かく異なる場合があるため、計画地の市役所や町役場への確認が不可欠です。

区域の条件:どんな場所なら対象になる?

まず、あなたの土地が制度の対象となる「区域」に入っている必要があります。基本的な条件は次の通りです。

  • (例)敷地間距離がおおむね50m前後以内など、自治体が定める距離要件を満たすこと(※距離基準は自治体により異なります)
  • (例)おおむね50戸程度以上など、自治体が定める戸数要件を満たすこと(※戸数基準は自治体により異なります)

この「50戸」の数え方や「つながり」の判断は、自治体によって独自のルールが定められていることがあります。例えば、市街化区域から一定の距離内にあることや、農地として守るべき区域や災害の危険がある区域は対象外とされることもあります。

土地の条件:道路やインフラは大丈夫?

次に、土地そのものが満たすべき条件です。特に重要なのが「道路」と「排水」です。

  • 道路に接しているか:建物を建てる敷地は、建築基準法で定められた幅4m以上の道路に、2m以上接している必要があります。これを「接道義務」といいます。見た目は道路でも、法律上の道路と認められていない場合もあるため注意が必要です。
  • 排水設備は整っているか:生活排水を適切に処理できるかも重要なポイントです。公共下水道が整備されているか、もし未整備の場合は浄化槽を設置して、排水路へきちんと流せるかなどを確認する必要があります。

これらの条件を満たしていないと、たとえ区域の条件をクリアしていても建築は難しくなります。

建物の条件:どんな専用住宅が建てられる?

最後に、建てられる建物に関する条件です。許可対象となる建築物の用途(専用住宅に限るか、一定の兼用住宅等を認めるか)や、自己用要件・属人性の取扱いは自治体の条例・審査基準により異なります。計画地の基準を必ず確認してください。主な条件には以下のようなものがあります。

  • 敷地面積:広すぎても狭すぎてもいけません。例えば「200㎡以上500㎡以下」のように、自治体の条例で範囲が定められていることが多いです。
  • 建ぺい率・容積率:敷地面積に対して、どのくらいの大きさの建物を建てられるかという割合です。これも条例で上限が決められています。
  • 建物の高さ:周囲の景観との調和を図るため、高さの上限(例:10m以下など)が定められている場合があります。

これらの数値はあくまで一例です。ご自身の計画が条件に合うかどうかは、必ず自治体の担当窓口で確認するようにしてください。

専用住宅の建築計画を立てる夫婦のイラスト。夢のマイホームについて話し合っている。

申請手続きの要「50戸連たん図」とは?

市街化調整区域において専用住宅を建築する際、50戸連たん図の作成を求められることがあります。この「50戸連たん図」は、申請手続きにおいて非常に重要な役割を担う書類です。単なる地図ではなく、あなたの計画地が「家を建てても良い場所ですよ」と行政に証明するための、大切な資料となります。

50戸連たん図の役割と記載内容

50戸連たん図の最も大切な役割は、「建築を計画している土地が、家を建てられる条件(おおむね50戸以上の家が連なっていること)を満たした区域内にあること」を、客観的に示すことです。

この図面には、主に以下のような情報が記載されます。

  • 建築を計画している土地の位置
  • 基準となる50戸以上の家屋の位置と、それぞれの敷地
  • 家屋の敷地間の距離(50m以内であることを示す)
  • 周辺の道路や水路

これらの情報を正確に図面に落とし込むことで、行政の担当者が「確かにこの場所は50戸連たんの区域に該当しますね」と判断できるようになります。

どうやって作成・入手するの?

自治体によっては、連たん状況を示す図面(いわゆる『連たん図』等)の提出を申請者側に求めることがあります。一方で、行政が条例指定区域図を公表している場合や、申請者側の調査が不要な運用に変更されている場合もあります。

一般的には、住宅地図や公図(法務局で取得できる土地の図面)といった資料を基に作成し、自治体の担当部署に内容が正しいかを確認してもらう、という流れになります。

しかし、敷地間の距離を正確に測ったり、多くの家屋の位置を正確に図面に反映させたりするには、専門的な知識と技術が求められます。図面作成が必要な場合、行政書士が申請書類全体の取りまとめを行い、内容に応じて土地家屋調査士・建築士等と連携して作成することがあります(自治体により要否が異なります)。正確な図面を作成することが、スムーズな許可取得への第一歩となります。

50戸連たん図の役割を説明する図解。計画地が50戸以上の家屋と50m以内で連なっていることを示している。

開発許可申請の流れと必要書類

ここまでの内容を踏まえ、実際に専用住宅を建てるための行政手続きがどのように進んでいくのか、全体の流れを見ていきましょう。手続きは大きく3つのステップに分かれます。

ステップ1:自治体への事前相談

計画を具体的に進める前に、必ず計画地の自治体の担当窓口(都市計画課など)へ事前相談に行きましょう。これが最も重要です。

相談に行く際は、土地の場所がわかる地図や、どのような家を建てたいかの簡単な計画図などを持参すると、話がスムーズに進みます。この事前相談の段階で、そもそも建築の可能性があるのか、どのような条件をクリアする必要があるのか、といった大まかな見通しを立てることができます。

ステップ2:申請書類の作成と提出

事前相談で建築の可能性があると判断されたら、次に申請書類の作成に取り掛かります。後述するように、申請には「開発許可申請書」や「50戸連たん図」をはじめ、非常に多くの書類が必要です。これらの書類を一つひとつ正確に作成し、自治体の窓口へ提出します。

申請から許可までの期間は、自治体の審査体制・補正の有無・関係機関協議の要否などで大きく異なります。標準処理期間は自治体の案内で確認し、余裕をもったスケジュールを組んでください。

ステップ3:審査と許可

提出された書類は、自治体の担当者によって、法律や条例の基準に合っているかどうかが厳しく審査されます。審査の過程で、内容の確認や書類の修正、追加資料の提出を求められることもあります。

すべての審査を無事にクリアすると、ようやく「開発許可証」が交付されます。この許可証を受け取って初めて、建築工事を始めることができるようになります。

主な必要書類一覧

開発許可申請には、主に以下のような書類が必要となります。自治体によって細かな違いはありますが、多くの書類を準備する必要があることを知っておいてください。

書類名主な入手先・作成者
開発許可申請書申請者(行政書士などが作成を代行)
50戸連たん図申請者(行政書士などが作成を代行)
土地の登記事項証明書法務局
公図の写し法務局
土地利用計画図設計者
建物の設計図(配置図、平面図、立面図など)設計者
資金計画書申請者
その他、自治体が必要と認める書類各関係機関
開発許可申請の主な必要書類

参考:開発許可申請書及び添付図書等について – 栃木県

注意点とよくある質問

最後に、50戸連たん制度を利用する上で知っておきたい注意点や、ご相談者様からよくいただく質問についてお答えします。

自治体の窓口で建築に関する事前相談をする夫婦のイラスト。専門的な手続きについて質問している。

Q. どの自治体でも同じ条件ですか?

A. いいえ、条件は自治体によって異なります。

市街化調整区域で許可を得るための枠組みは都市計画法(例:第34条各号の立地基準)に定められており、いわゆる『連たん制度(第34条第11号)』の具体的な区域指定や詳細要件は、各自治体の条例・審査基準で定められています。そのため、隣の市町村では認められる計画が、こちらの市町村では認められない、ということも十分にあり得ます。

例えば、敷地面積の条件、対象となる区域の定義、50戸の数え方などが違う場合があります。「必ず計画地の自治体のルールを確認する」ということが、何よりも重要です。

Q. 農地に専用住宅を建てることはできますか?

A. はい、可能ですが、追加の手続きが必要です。

もし計画地が田んぼや畑などの「農地」である場合、家を建てるためには、まずその土地を農地から宅地へ変更するための「農地転用許可」という手続きを、開発許可とは別に受ける必要があります。

農地の種類によっては、転用が非常に難しい、あるいは原則として認められないケースもあります。この農地転用の許可要件は複雑で、開発許可と合わせて二重の手続きが必要になるため、計画はさらに慎重に進めなければなりません。特に中山間地域の農地転用は、多くの実績と知識が求められます。

市街化調整区域での専用住宅建築は当事務所へご相談ください

ここまでご覧いただいたように、50戸連たん制度を利用して市街化調整区域に家を建てる手続きは、多くの条件をクリアし、たくさんの書類を準備する必要がある、非常に複雑なものです。

「自分の土地は対象になるのだろうか?」
「何から手をつけていいか分からない…」
「農地の手続きも必要と言われてしまった」

もし、このようなお悩みやご不安をお持ちでしたら、ぜひ一度、弊所にご相談ください。

当事務所は、市街化調整区域での開発許可申請はもちろんのこと、特に手続きが難しいとされる中山間地域の農地転用許可申請についても豊富な経験と実績がございます。ご相談から書類作成、官公署との打ち合わせまで、代表である私が責任を持って一貫して対応いたします。

ご相談者様のお気持ちに寄り添い、ともに最善の方法を考え、ご納得いただけるご提案を心がけております。初回のご相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。あなたのマイホームの夢を実現するため、全力でサポートさせていただきます。

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