非農地証明願の空中写真|取得方法から見方まで徹底解説

非農地証明願とは?なぜ空中写真が必要なの?

ご自身の土地の登記記録(登記簿)を見てみたら、地目が「田」や「畑」のままになっている。しかし、実際にはもう何十年も前から家が建っていたり、駐車場として使っていたりする。このような、登記上の記録と現在の土地の使われ方が一致していないケースは少なくありません。

このズレを正し、「この土地は、登記上は農地ですが、実際にはもう長い間農地ではありませんでした」ということを公的に認めてもらうための手続きが非農地証明願です。

では、なぜその証明に昔の「空中写真」が必要になるのでしょうか。

それは、非農地証明願の手続きにおいて、自治体(農業委員会)の基準に従い、「相当期間(例:20年以上)前から農地ではない状態だった」といった事実を、誰が見ても納得できる客観的な証拠で示す必要があるからです。個人の記憶や口約束だけでは、残念ながら公的な証明にはなりません。

ここで活躍するのが、国が撮影・保管している過去の空中写真です。空中写真は、特定の個人の意図が入る余地のない、とても客観性の高い資料です。例えば、「昭和55年に撮影された写真に、すでに対象の土地に建物が写っている」という事実があれば、それは「少なくとも昭和55年の時点では、この土地は農地ではなかった」という強力な証拠になります。

このように、空中写真は、時の流れを遡って土地の過去の姿を映し出し、あなたの主張を裏付けてくれる、タイムマシンのような役割を果たしてくれるのです。より詳しい手続きの流れについては、山林化した農地に関する非農地証明の手続き解説のページもご覧ください。

非農地証明願で使う空中写真の取得方法【3ステップで解説】

それでは、具体的に空中写真を入手する方法を見ていきましょう。手続きと聞くと難しく感じるかもしれませんが、国土地理院が提供している「地理院地図」や「地図・空中写真閲覧サービス」などを使えば、無料で過去の空中写真を探して閲覧できます。ここでは、その手順を3つのステップに分けて分かりやすく解説します。

ステップ1:国土地理院のサイトにアクセスする

まずは、国土地理院のウェブサイトにアクセスします。検索エンジンで「国土地理院 地図」や「地理院地図」と検索すると、すぐに見つかるはずです。

サイトにアクセスすると、日本全国の地図が表示されます。このサービスは、現在の地図だけでなく、過去の空中写真や古い地図など、様々な情報を閲覧できるとても便利なものです。もちろん、利用は無料ですので、安心して進めてください。

パソコンの画面に表示された国土地理院の地図を見ながら、非農地証明願の手続きを進めている様子。

ステップ2:調べたい場所と年代を指定する

次に、証明したい土地の場所と、必要な年代の空中写真を探します。

  1. 場所の特定:画面上部の検索窓に、対象となる土地の住所を入力して検索するのが最も簡単な方法です。また、マウスを使って地図をドラッグしたり、拡大・縮小したりして、直接場所を探すこともできます。
  2. 年代の指定:場所を特定したら、画面左側にあるメニューから「写真」を選択します。すると、その場所で撮影された様々な年代の空中写真がリストアップされます。非農地証明願では、多くの場合「20年以上前」の状況を証明する必要があるため、現在から20年以上遡った年代の写真を探しましょう。例えば、2026年に手続きをするのであれば、2006年以前の写真が必要になります。

古い年代の写真は、必ずしも全ての場所で撮影されているわけではありません。ご自身の土地の周辺で、最も条件に合う年代の写真を探してみてください。

ステップ3:写真を表示して情報を確認・保存する

目的の年代の写真を見つけたら、クリックして表示させます。写真が表示されたら、以下の情報を確認しましょう。

  • 撮影年月日:いつ撮影された写真なのかを示す、最も重要な情報です。
  • 整理番号(コース番号など):写真を管理するための番号です。

これらの情報は、申請書に記載を求められることがあるため、必ずメモしておきましょう。多くの場合、画面のどこかに表示されています。

必要な情報が確認できたら、その画面を保存します。パソコンのスクリーンショット機能を使ったり、ブラウザの印刷機能を使ってPDFとして保存したりする方法があります。この保存した画像が、申請の際の添付資料となります。

【ココが重要】空中写真の「見方」と証明のポイント

無事に20年以上前の空中写真を入手できても、それだけでは十分ではありません。大切なのは、その写真から農地ではない状態を明確に読み取れることです。農業委員会は、提出された写真のどこを見て、非農地であると判断するのでしょうか。ここでは、証明のポイントとなる具体的な「見方」を解説します。

非農地証明願における空中写真の見方を解説する図解。証明力が高い写真(建物が写っている)と低い写真(不鮮明)の比較。

写真を見る際は、虫眼鏡で観察するような気持ちで、以下の点に注目してください。

  • 建物の存在:写真に対象の土地の上に建物がはっきりと写っていれば、そこは農地ではない(宅地である)ことを示す最も強力な証拠になります。
  • 庭木や庭石、駐車場:建物だけでなく、庭として利用されている様子(庭木や庭石、池など)や、駐車場として車が停まっている、あるいはそのように整備されている状態が確認できれば、同様に有効な証拠となります。
  • 資材置場など:建築資材や農業用以外の機械などが置かれている場合も、耕作目的で利用されていない証拠になり得ます。
  • 耕作されていない状態:明らかに長期間耕作が放棄され、樹木が生長している状態も、農地として利用されていないことを示します。

提出する際には、写真の中の対象地を赤枠などで囲み、上記のようなポイントを指し示して「この部分に建物あり」「駐車場として利用」といった説明を加えると、より分かりやすく、説得力のある資料になります。

空中写真がない・使えない場合の代替案

「頑張って探したけれど、ちょうど良い年代の空中写真が見つからなかった」「写真が不鮮明で、建物などがはっきり確認できない」という場合でも、諦める必要はありません。空中写真の代わりとして、あるいは証明を補強するために使える他の公的な書類があります。

例えば、以下のような書類が非農地証明願の添付資料などとして用いられます。

  • 固定資産税の課税証明書(評価証明書):市町村が発行する書類で、その土地がいつから「宅地」や「雑種地」として課税されていたかを確認できます。20年以上前から宅地として課税されていれば、有力な証拠となります。
  • 家屋の登記事項証明書:法務局で取得できる書類です。土地の上に建っている建物の登記記録が記載されており、建物の建築年月日が分かります。20年以上前に建てられた建物であれば、その土地が当時から宅地であったことを証明できます。
  • 地目更正の登記がされた土地の閉鎖登記簿謄本:過去に地目変更の登記がされたことがある場合、その経緯が記録されています。

これらの書類は、それぞれ証明できる内容や入手先が異なります。状況によっては、空中写真とこれらの書類を組み合わせることで、より確実な証明が可能になります。例えば、線引き前宅地の証明においても、過去の土地の利用状況を示す資料が重要になります。

非農地証明願と空中写真に関するよくある質問

ここでは、空中写真の準備に関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 空中写真はカラーでないとダメですか?

A. 多くの場合、白黒の写真でも提出できることがあります。

20年以上前といった古い年代の空中写真は、ほとんどが白黒です。非農地証明願で重要なのは、写真の色ではなく、「いつ撮影されたか」という日付と、「何が写っているか」という内容です。土地の利用状況がはっきりと確認できれば、白黒写真で十分に証拠としての役割を果たします。

まとめ:非農地証明願の手続きは行政書士への相談も有効です

この記事では、非農地証明願の手続きに不可欠な空中写真について、その役割から取得方法、見方のポイント、そして代替案までを解説しました。

ご自身で国土地理院のサイトを使い、過去の土地の姿を発見する作業は、思いのほか興味深いものかもしれません。しかし、適切な年代の写真が見つからない、写真を見ても非農地であると判断できるか自信がない、あるいは手続き全体が複雑で不安に感じる、といったこともあるでしょう。

そのような場合は、一人で悩まずに行政書士にご相談いただくのも有効な選択肢です。書類の収集から申請書の作成、農業委員会とのやり取りまで、手続きを円滑に進めるためのお手伝いができます。

この記事の全体像については、農地法関連(農地転用等)業務で体系的に解説しています。

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