小型船舶の海外売却、輸出許可通知書の手続きを解説

小型船舶の海外売却、手続きが複雑で不安に感じていませんか?

母国にいるご家族へ、大切に乗ってきた船を譲りたい。あるいは、海外の知人や業者へ売却したい。そんな思いをお持ちかもしれませんね。しかし、日本の役所の手続きは独特で、特に「輸出許可通知書」という聞き慣れない書類が出てくると、何から手をつけて良いのか分からず、不安になってしまうお気持ちはよく分かります。

言葉の壁や慣れない手続きに、一人で悩んでいませんか。ご安心ください。この記事では、小型船舶を海外へ送るための手続きを、むずかしい言葉をできるだけ使わずに、順番どおりに説明します。この記事を読み終える頃には、何から始めれば良いのか、どんな順番で進めれば良いのかが、はっきりと見えているはずです。

海外売却手続きの全体像:2つの大きなステップ

小型船舶を海外へ売却する手続きが難しく感じられるのは、全体像が見えにくいからかもしれません。やるべきことは、実は大きく分けるとたったの2つです。

それは、「①船を海外に送るための国の許可をもらう手続き」「②日本の船としての登録を消す手続き」です。この2つのステップを順番に進めていくことが、手続きをスムーズに終えるための近道になります。

小型船舶の海外売却手続きの全体像を示した図解。ステップ1で税関から輸出許可通知書を取得し、ステップ2でその通知書を使って日本小型船舶検査機構(JCI)で抹消登録を行う流れが矢印で示されている。

ステップ1:税関から「輸出許可通知書」をもらう

まず最初に行うのは、船を「モノ」として海外に送り出すための許可を国からもらうことです。この手続きは「税関」という役所が担当しています。税関で手続きを行い、問題なく許可が下りると、その証明として「輸出許可通知書」という大切な書類が発行されます。これが、海外売却手続きにおける最初のゴールです。

ステップ2:「輸出許可通知書」を使い、登録を抹消する

ステップ1で無事に「輸出許可通知書」を手に入れたら、次はその書類を使って、船の日本の登録を消す手続きに進みます。この手続きは「日本小型船舶検査機構(JCI)」という機関が窓口です。なぜ輸出許可通知書が必要かというと、「この船は、正式な手続きを経て日本から海外へ輸出されることが決まりました」ということをJCIに証明するためなのです。この証明があって初めて、JCIは安心して日本の登録を消すことができる、というわけです。

このテーマの全体像については、小型船舶の名義変更(移転登録)の手続きで体系的に解説しています。

【ステップ1】輸出許可通知書の入手方法と必要書類

それでは、最初のステップである「輸出許可通知書」の具体的な入手方法を見ていきましょう。この手続きは、「通関業者(税関への申告を代行する事業者)やフォワーダー(国際輸送を手配する事業者)」に依頼して進めるケースが多いです。

個人で直接税関に申告することも不可能ではありませんが、専門的な知識が必要になるため、多くの場合、通関業者に任せる方がスムーズに進みます。

手続きの流れは、おおよそ以下のようになります。

  1. 通関業者を探して依頼する
  2. 必要書類を通関業者に渡す(売買契約書、船の価格が分かる書類(インボイス)、船の仕様が分かる書類など)
  3. 通関業者があなたに代わって税関に輸出の申告をする
  4. 税関から輸出許可通知書が発行される

通関業者に依頼すれば、複雑な書類作成や税関とのやり取りをすべて任せることができるので、安心して手続きを進められます。

より詳しい輸出通関手続きの概要については、税関のウェブサイトも参考にしてみてください。

参照:輸出通関手続の概要(税関 Japan Customs)

【ステップ2】輸出許可通知書を使った抹消登録の手続き

輸出許可通知書が手元に届いたら、いよいよ最終ステップ、日本小型船舶検査機構(JCI)での抹消登録手続きです。これは、船の戸籍を日本から抜くようなイメージの手続きになります。

抹消登録に必要な書類一覧

小型船舶を海外に売却する前の手続きとして、抹消登録申請が必要になります。その際にJCIへ提出する書類は以下の通りです。特に、海外売却の場合は「輸出許可通知書」が重要な役割を果たします。

海外への売却を理由に小型船舶の抹消登録を行う場合、添付書類として、輸出許可通知書および仕入れ書(インボイス)が必要になります。

  • 抹消登録申請書:JCIの窓口やウェブサイトで入手できます。
  • 手数料払込証明書:手続きには所定の手数料がかかります。
  • 船舶検査証書(原本)
  • 船舶検査手帳
  • 輸出許可通知書及び仕入書(インボイス):海外へ輸出したことを示す書類です。
  • 委任状(代理人が申請する場合)
小型船舶の抹消登録に必要な書類一式が机に並べられているイラスト。輸出許可通知書や申請書などがあり、手続きの準備が整っている様子を示している。

これらの書類を不備なく揃えることが、手続きを一度で終わらせるためのポイントです。

廃船に関する公式な情報も、あわせて確認しておくとより安心です。

参照:廃船(返納) | 検査制度(日本小型船舶検査機構)

手続きの窓口と申請方法

書類がすべて揃ったら、船を保管している場所を管轄するJCIの支部へ提出します。窓口へ直接持っていく方法のほか、郵送での申請も可能です。ご自身の管轄支部がどこか分からない場合は、JCIの公式ウェブサイトで確認することができます。

手続きが無事に完了すると、「登録事項通知書」という書類が交付され、これをもって日本の登録は正式に抹消されたことになります。

小型船舶検査の手数料については、小型船舶検査の手数料もご参照ください。

手続きでお困りなら、一度ご相談ください

ここまで、小型船舶を海外へ売却するための一連の手続きを解説してきました。流れはご理解いただけたかと思いますが、それでも「やはり書類の準備が難しそう」「通関業者とのやり取りが不安」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

特に、海外の方とのやり取りや、普段使い慣れない書類の準備は、時間も手間もかかります。もし手続きに不安を感じたり、お困りのことがあったりするなら、一人で抱え込まずに、船の手続きを中心に取り扱う海事代理士・行政書士へご相談ください。

面倒な書類の収集や作成、関係各所との連絡などを、あなたに代わって進めることができます。あなたの時間や手間を減らし、手続きが進めやすくなるようサポートいたします。

どんな小さなことでも、親身になってお話をお伺いします。

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