Archive for the ‘農地に関する手続き’ Category

農家住宅・分家住宅から専用住宅への用途変更許可を受ける際の注意点について

2023-11-21

売却を検討している住宅が農家住宅や分家住宅など許可申請者のみが居住を認められた住宅の場合、現所有者が売買前にどなたでも居住することのできる専用住宅に用途変更をする必要がございます。用途変更は都市計画法に基づく許可申請手続きとなります。

用途変更許可が認められる主な条件としまして(都道府県により条件は異なります)、

・許可後10年以上適法に使用されていたこと

・許可を受けた者又は生計維持者の死亡、破産、競売、通勤が不可能と認められる転勤等やむを得ない事情があることなどがございます。

通勤が不可能と認められる転勤がある場合はやむを得ない事情として挙げられておりますが、市区町村によっては『転勤』の場合は認められますが、『転職』の場合は認められない場合もあるとのことです。

この違いにつき役所に確認したところ、『転勤』は勤務先から辞令交付され、本人の意思に関係なく職場が異動となるためやむを得ない事情があると判断できるが、『転職』は自らのキャリアアップや好条件によるヘッドハンティングなど本人の意思により通勤が不可能な職場に異動するものであり、この場合はやむを得ない事情があるとは認められないため、用途変更許可要件は満たさず許可申請を受け付けられない場合もあるとのことです。

『転職』の場合は経緯など詳細な書面を提出のうえ、個々のケースごとに判断されます。私も相当な時間を要して許可申請見込みまでたどり着くことのできた案件もございます。

もし『転勤』ではなく『転職』に該当するとの最終回答がなされた場合は用途変更の許可を受けることができず、更地にして建物を建築することができない土地(駐車場や資材置場など)として売らざるを得ない状況でした。

市街化調整区域にある用途変更許可手続きが必要な家屋の場合、確実に手続きを進められるよう手はずを整えておく必要がございます。弊事務所では『転勤』に該当するか、『転職』に該当するかを丁寧に確認のうえ都道府県または市区町村と協議を進める様心掛けております。用途変更許可につきお悩みごとがございましたらお気軽にお問い合わせください。

令和6年度 佐野市新規いちご就農塾研修生の募集が始まりました

2023-11-13

栃木県ではいちごの栽培が盛んであることから、新規でいちご農家を始めたいとお思いの方もいらっしゃいます。栃木県内においていちご農家を始めるには高い品質のいちごを提供することのできる栽培技術や出荷体制の整備が求められますので、ほかの農産物よりも高いハードルが求められます。

新規就農による農地法の許可を受けてスムーズに農地を取得することのできる様支援を行うため、佐野市では毎年いちご新規就農塾を開講し研修生を募集しております。令和6年4月から令和7年3月までの1年間研修期間のあるいちご新規就農塾の研修生募集開始が始まりました。締切は令和5年12月29日(金)です。詳細は下記URLより確認できます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g58/sinkisyuunou.html

新規の就農塾の場合若年層を対象とした研修が多いのですが、いちご新規就農塾では63歳未満の方(62歳までの方)まで応募資格がありますので、幅広い層の方が受講されています。現役のいちご農家の元で研修を行うことから、新規就農をイメージできる様いちご作業体験の機会も設けられております。

研修を修了後の就農時支援として農地の借入斡旋やハウス整備に関する支援、就農後の技術支援など手厚いサポートも受けることが可能です。

研修修了後は佐野市内にての就農・居住が必要になりますので、他の都道府県や栃木県内の他市町にて新規でいちご農家を始めるための農地法許可を受け農地を取得することはできませんので、この点注意が必要です。

新規でいちご農家を始めたいとお思いの方はぜひこの機会に研修生として学んでみることをお勧めいたします。

安足地域ニューファーマーカレッジ基礎セミナーが開催されます

2023-10-16

令和5年10月30日(月) 14時から16時30分まで、栃木県庁安蘇庁舎にて安足地域ニューファーマーカレッジ基礎セミナーが開催されます。参加申込期限は10月26日(木)です。詳細は下記URLより確認をすることができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g58/nfc/nfc_kisoseminarr5.html

安足農業振興事務所では定期的に新規就農者を対象とした講座が開催されており、今回も新規就農者向けの講座になります。緑肥を活用した土作りや新規就農者向けの融資制度について学ぶことができます。

農業用の設備を整える場合、多額の費用を要することになります。公的資金を上手に活用することにより、金利を抑えながら資金を調達することも可能です。

農地を購入する際に融資を受けられるのか、農機具を購入する際に融資を受けられるのか、個人経営から法人化に移行するための経費も融資を受けることができるのかなど、融資を受けたいとお考えの際様々なケースが存在します。どの制度を用いれば融資可能かどうかも説明を受けることができます。

今回の講座は就農して5年以内の方も受講することができますので、興味のある方は参加を検討してみることをお勧めいたします。

開発行為許可申請・雨水浸透槽設置について

2023-10-11

都市計画法に基づく開発行為許可申請を行なうには法で定めた技術基準を満たす必要がございます。自己の居住用の建築物、自己の業務用の建築物、その他のもの(宅地分譲、賃貸用建築物など)の全てにつき排水施設基準を満たす必要がございます。

排水施設基準では建築物から生じる雑排水の処理方法と宅地内に生ずる雨水の処理方法について求められます。雑排水の場合は公共下水に放流、合併処理浄化槽を経て道路側溝へ放流または敷地内処理装置を用いるなどの計画図の作成が求められます。

雨水の処理方法につきましては原則敷地内に雨水浸透槽を設置する必要がありますが、小規模な面積における開発行為の場合は敷地内自然浸透処理とすることも認められております。

開発行為許可手引きでは下記のとおり定められております。

市街化調整区域内の開発区域の面積が 1,000 ㎡未満の自己の用に供する開発行為又は敷地の面積が 1,000 ㎡未満の建築行為(新築、増築、改築、用途の変更)にあっては、下記の要件を満足する場合に限り、排水施設の断面の決定及び容量算定を要しないとすることができるものとする。

a 予定建築物等を新築・増築・改築等行なう場合には、建築物の雨樋等により集水される雨水を処理するために、適切に浸透桝が設置されるような設計がなされていること。

b 当該排水によって開発区域及びその周辺の地域に溢水等による被害が生じないような構造になっていること。

c 汚水雑排水は合併処理浄化槽等で適切に処理するものであること。

手引きでは『市街化調整区域内の開発区域の面積が 1,000 ㎡未満の自己の用に供する開発行為』の場合、建築物の四隅に雨水浸透桝を設置することにより雨水浸透槽を要しないとすることができると定められておりますが、『自己の用に供する開発行為』を自己の居住用・業務用に問わずに適用する都道府県・市区町村と、縮小解釈を行い自己の居住用建築物のみこの規定を適用する都道府県・市区町村に分かれます。

自己の業務用の建築物にも雨水浸透槽の設置が必要との指導が行われた場合、建築物の設計変更をしなければならない可能性が生じます。雨水浸透槽設置箇所に建築行為は行えないため、例えば開発行為許可申請を行う敷地の実測面積が300㎡未満の場合、敷地面積の大半を雨水浸透槽が占有することも考えられます。浸透係数も1番厳しい基準が適用されるため、必然的に雨水浸透槽も大きくなってしまうからです。

弊事務所では市街化調整区域における開発区域の面積が1,000㎡未満の土地において自己の業務用建築物のために許可を受ける場合、雨水浸透槽の設置が必要となるかどうか、許可申請を行なう都道府県・市区町村に初回打ち合わせ時に必ず確認を行っております。打ち合わせの結果雨水浸透槽の設置が必要との指導を受けた場合には、許可申請地の実測面積によってはこの場所ではなく他の場所にて適地を探して手続きを進めるのが良いことをお伝えする様にしております。

雨水浸透槽の設置が必要となるか・不要となるかで設計にかかる費用や工期などが大幅に変わります。市街化調整区域において自己の業務用建築物のために開発行為許可申請を考えている方はこの点に注意しながら協議を進めていただけますと幸いです。

農地の所有権を取得する際に国籍の報告が義務付けられました

2023-10-03

令和5年9月1日(金)以降農地を取得するための許可申請書(農地法第3条許可申請)または相続などにより農地を取得した際に行う届出書(農地法第3条の3届出)の様式に農地を取得するもの(譲受人)が個人の場合は国籍や在留資格、法人の場合は主要株主の国籍を記載する欄が追加されました。国籍欄が追加されたことにより、農業委員会事務局で管理している農地台帳にも国籍が記載されることになります。

農林水産省では定期的に外国法人等による農地取得に関する調査の結果を公表しております。公表結果では『外国人と思われる者による農地取得』と外国籍の方が購入したかどうかあいまいな表現ですが、今後国籍を記載することが義務付けられましたので、外国籍の方が取得した農地の面積が確実なデータとして公表されることになります。

日本人の場合追加された国籍欄には『日本』と記載すれば大丈夫で、在留資格欄に記載は求められません。新たに農地の所有権を取得した場合に国籍欄に記載するとありますが、賃貸借や使用貸借など権利を設定する際の許可申請書の様式も同一のものになりますので、同じく国籍を記載する必要があります。

令和5年9月1日より新様式にての許可申請書・届出書が用いられておりますが、市区町村によっては国籍欄が記載されていない旧来の様式であっても、農業委員会事務局の窓口で国籍を追記すれば申請書・届出書を受け付けていただけるとのことです。

日本船籍を有する場合、日本国民の所有に属することや日本の法令により設立された会社でその代表者の全員及び業務を執行する役員の3分の2以上が日本国民なるものの所有に属すること、上記以外の法人で日本の法令により設立されその代表者の全員が日本国民なるものの所有に属することなど国籍に関する要件が厳格に定められておりますが、現行の農地法はここまで厳格に定められておらず日本国籍かどうかを把握しやすくするために記載を求めるに留められております。

新たな農地取得者の国籍を把握した結果、今後日本船舶の要件の様に国籍要件が厳格化されることも十分考えられます。

令和5年度 大型特殊自動車免許(農耕車限定)取得のための技能講習会が実施されます

2023-09-19

平成31年4月に規制が緩和されたことにより、作業機を装着したトラクターが行動を走行できる様になりました。ただし作業機装着後横幅1.7mを超える場合には小型特殊免許では運転することができず、大型特殊免許取得が必要になります。

より安全に農作業を行いたいとの理由から、多数の農業者従事者から大型特殊免許取得のための講座を実施して欲しいとの要望があがっております。この要望を受け、栃木県では大型特殊免許(農耕車限定)取得のための技能講習会を実施することとなりました。詳細は下記URLより確認をすることができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g04/2021daitoku.html

本講習会は農耕車限定の大型特殊自動車免許取得を目的としているため、農業従事者以外の申込は認められませんので注意が必要です。農業を専業としている方だけでなく兼業として農業に従事している方も申し込みは認められます。栃木県が主催する技能講習会であることから、栃木県内に住民票を有することも要件とされております。

新規就農による農地法第3条許可申請を受ける際、聞き取り調査が行われます。農作業に必要なトラクターの運転ができるかどうかの確認が行われ、大型のトラクターを購入することを検討をしている場合は必ず大型特殊免許を取得する様注意喚起が行われますので、必要に応じて技能講習会への参加をご検討していただければと思います。

受講希望者多数の場合は、抽選のうえ参加の可否が決定となります。多数の申込が予想されますので、受講を検討されている方は早めの申込みをお勧めいたします。

R5.9.27 栃木県主催 農村地域活躍人材育成講座が開催されます

2023-09-11

栃木県農政部 農村振興課が主催する農村地域活躍人材育成講座が令和5年9月27日(水)に開催されます。この講座は、将来農産物直売所やその関連事業に関わる人材の確保・育成を図るため、高校生や大学生、社会人などを対象に農産物直売所の先進的な取組や、グリーン・ツーリズムによる地域活性化について学べる講座となります。詳細は下記URLより確認をすることができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g02/noson-chusankan/r5nosonjinzai2.html

グリーン・ツーリズムについての講師を一般財団法人 都市農山漁村交流活性化機構に所属する宍戸信一様がご担当くださいます。私は5~6年前、農産物直売所や農家民宿の許認可手続きなどについて色々と調査していた際に行き詰ってしまい、都市農山漁村交流活性化機構に問い合わせをしたことがございます。その際今回講師を担当されます宍戸様をご紹介いただきまして、懇切丁寧に教えを乞うことができました。

宍戸様には大変お忙しい中急なお願いにも関わらず、全く面識の無い私に対しまして色々と教えてくださいましたことに大変感謝しております。宍戸様から教えていただいたことは今も有用な知識として許認可手続きの際に活かしております。

本講座ではグリーン・ツーリズムについて学ぶだけでなく、直売所施設見学も行われます。農産物直売所の先進的な取組を学べる大変貴重な講座となっております。開催日は平日ですが、高校生・大学生も受講可能です。

講座の申込締切日は令和5年9月20日(水)となっております。募集定員は45名であるため、早めに席が埋まってしまうことも考えられます。ご興味のある方はぜひお申込みください。

安足農業振興事務所にて農業経営個別相談会が開催されます

2023-08-04

令和5年8月22日(火)に栃木県佐野市にある安足農業振興事務所にて、足利市及び佐野市にて営農される方を対象に農業経営個別相談会が開催されます。開催要領は下記URLより確認をすることができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g58/keiei/kobetsusoudannkai2023.html

今回は経営に特化した相談会であり、個人として農業を営む場合だけでなく、個人から法人化した場合に必要となる手続き全般やパート職員などを雇用する場合に必要となる手続き、農業用設備・機械を導入するにあたり上手な資金繰りの仕方など農業経営に関する各分野の専門家に相談に乗っていただけるものになります。

令和5年4月から農地法が改正されたことにより農地取得時において必要な下限面積制度が撤廃されたことにより、今まで以上に新規就農のハードルが下がりました。新規就農が行いやすくなったとはいえ、業として農業を行うには農作業のみではなく、農業経営のことも研究しなければなりません。

この相談会が盛況のうちに終わりますと、栃木県内のほかの市町でも県が主催する農業経営個別相談会が開催されるものと思われます。各分野の専門家が一堂に会して相談に乗っていただける機会はそうそうございませんので、個別相談を希望される方はぜひご参加いただければと思っております。

降ひょう・突風被害に対する農作物技術対策につき、取り組むべきことが掲示されました

2023-07-24

令和5年7月10日(月)は夕方栃木県内においてひょうが降りました。この日は日中とても暑い1日で、夕方から大気が不安定となり急な雷雨とともにひょうも降りました。

ひょうや強風による被害が農作物に生じてしまった場合、何から手を付けたらよいのか混乱してしまうこともあるかと思います。栃木県のHPには農作物に被害が生じた場合に取り組むべき行動が記された資料がアップされております。詳細は下記URLより確認をすることができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g54/r5/r5hyounousakumotutaisaku.html

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g54/r5/r5nashikouhyo_toppuhigaizigotaisaku.html

様々な農作物に対して被害が生じてしまった際に取り組むべきことが網羅的に記されております。農作物ごとに取り組むべきポイントは異なりますので、その点詳細に記されております。特に『なし』についてはより詳細に記されておりますので、事後対策方法をよく確認してみると良いと思います。 各地で梅雨明けも発表され、

今後さらに暑い日が続くことが予想されることから、再びひょうや突風による被害が生じてしまうことも考えられます。ここに記載されている取り組み方法を参考にしていただき、適切な対応をしていただけますようお願いいたします。

農地法第3条許可 下限面積撤廃後の申請手続きについて

2023-07-03

令和5年4月申請分から農地法第3条許可申請の要件のうち、下限面積を満たしているかどうかの項目が撤廃されました。下限面積が撤廃されたことから、手続き上農地を取得しやすくなりました。

下限面積が定められていたときは農地の一部を貸しつけている場合で新たに農地を取得する場合、耕作面積と取得面積の合計面積が下限面積に達しない場合は、貸し付けている農地の合意解約手続きを行い下限面積に達する様にしなければなりませんでしたが、下限面積が撤廃されたことにより貸し付けている農地の合意解約手続きを経ずとも農地を取得できるようになりました。

作付け中の農地においては合意解約をすることが難しく、収穫後に合意解約を行い許可申請に備える必要があることから許可申請をスムーズに行えないことも生じましたが、下限面積が撤廃されたことによりスムーズに許可申請手続きを行えるようになりました。

今後も貸し付けをしている農地を所有されている方から同様の相談を受けることも多くなるものと考えます。弊事務所では事前調査のうえ許可申請が可能かどうかを丁寧に説明をいたしますので、お困りになりましたらお気軽にご相談ください。

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