農地付き空き家にて農地を取得する場合の手続きについて 『空き家の要件』

先日農地付き空き家に関する記事を投稿いたしました。今回から実際の手続きにつきましての記事を数回に分けまして掲載いたします。

まず農地付き空き家に該当するか否かにつきまして各市町村の農業委員会事務局と空き家対策室に登記事項証明書や住宅地図を持参のうえ事前相談を行います。事前相談の結果、空き家バンクに登録できる見込みである物件であると判断された場合には、実際に各市町村の職員が現地調査のために訪問を行います。

ここで注意していただきたい点がございます。市街化調整区域に建てられた住宅であり、現在の所有者以外の者が使用することができない空き家は空き家バンクに登録をすることができません。

現在の所有者のみが使用することができる住宅としまして農林漁業者用住宅や分家住宅などがあげられます。これらの建物は許可を受ける際に住宅建築者が要件を満たしている場合にのみ許可がなされる建物であるため、許可を受けた以外の者が所有権を譲り受けて居住することはできません。

所有者以外の者も使用することができるようにするには、都市計画法の用途変更に関する許可を受ける必要がございます。許可後10年以上適法に使用されていたなどの一定の要件を満たしていない場合には用途変更許可を受け付けていただくことはできません。

農林漁業者用住宅を建築する場合、農業従事者であれば農地を10アール(1反・1,000㎡)以上所有または適法に賃借権が設定されていれば許可を受けることが可能になります。

農地付き空き家を購入される方が10アール以上の農地を取得する場合には用途変更の許可を経ず取得することができる場合もございますが、農地付き空き家にて農地を取得される方の大半は10アール以下の面積にて取得となるため、制限無くどなたでも住むことができる様に用途変更の手続きが必要になります。

空き家に付属した農地に限定した設定により農地を取得した世帯につきましては、その後10アール以上の面積の農地を取得した場合であっても農地法等で転用等を行う場合の農家住宅等の対象にはなりませんので注意が必要です。この様な規制が定められていることもあり、農家住宅を空き家バンクに登録する際には都市計画法の規定による用途変更手続きを経る必要がございます。

農林漁業者用住宅や分家住宅などを配偶者やお子さまが相続により取得した場合、特別な許認可を得て建てられた建物であるということを知らなかったという方がとても多いです。建築したご本人ですら特別な許可を要したことを忘れてしまっている方も多くいらっしゃいますので、配偶者やお子さまが許可を受けていることを知らなかったというのも無理もない話です。

弊事務所では市街化調整区域に住宅を建築するための相談を多数受けているのと同時に、用途変更許可申請に関する相談も受けており、相談件数が年々増えてきております。

市街化調整区域に建築されている住宅がどの様な要件にて建築されたかどうかの調査を行うことにも対応しておりますので、空き家バンク登録前に詳細な確認をしておきたいとお考えの際にはお気軽にご相談ください。

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