農地法許可証はいつ届く?総会後の交付時期をわかりやすく解説

農地法許可証はいつ届く?答えは「農業委員会の総会」にあり

「農地法の許可申請をしたけれど、許可証は一体いつ届くのだろうか」。農地の売買や、農地を宅地などに変える計画を立てている方にとって、許可証がいつ手元に届くかは、その後のスケジュールを左右する重要な問題です。

その答えを知るための大切なキーワードが、「農業委員会の総会」です。総会とは、地域の農地のルールについて話し合う、とても重要な会議のことです。許可証が交付されるまでの流れは、大きく分けると「申請書を出す」→「総会で話し合われる」→「許可証が渡される」というステップで進みます。

この記事では、農地法の許可証があなたの手元に届くまでの具体的な流れと、時期の目安を分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、ご自身の計画をスムーズに進めるためのスケジュール感がつかめるはずです。農地に関する手続きの全体像については、農地法の手続き全体で体系的に解説しています。

農地法許可証が手元に届くまでの3ステップ

農地法の許可申請をしてから、実際に許可証を受け取るまでの道のりは、大きく3つのステップに分けられます。この流れを先に確認しておくと、今自分がどの段階にいるのかが分かり、手続きを進めやすくなります。まずは全体像を把握しましょう。

農地法許可証が交付されるまでの3つのステップを示した図解。申請書の提出、農業委員会の総会、許可証の交付という流れがイラストで分かりやすく説明されている。

ステップ1:まずは申請書を提出(受付締切日を確認しよう)

まず、必要書類をそろえて農業委員会の窓口に申請書を提出します。ここで最も注意したいのが「受付締切日」の存在です。

多くの市町村では、毎月開催される総会で話し合う案件の受付締切日を設けています。例えば、「毎月10日が締切」と決められていれば、10日までに提出された申請がその月の総会で話し合われることになります。もし1日でもこの締切日に遅れてしまうと、審議は翌月の総会に持ち越され、許可証の交付も1ヶ月以上遅れてしまうことになります。

締切日が土日や祝日にあたる場合は、その前の開庁日が締切となることもありますので、早めの確認が大切です。ご自身の市町村のホームページで「農業委員会 総会 日程」などと検索すると、年間のスケジュールが公開されていることが多いので、必ず確認しましょう。許可申請受付締切日は、計画を立てる上で最初の重要なポイントです。

ステップ2:農業委員会の「総会」で話し合いが行われる

受付締切日までに無事に申請書を提出すると、その月の下旬頃に開催される農業委員会の総会で、あなたの申請内容について話し合いが行われます。

この総会には、地域の農業委員が集まります。そして、提出された計画が農地法のルールに合っているか、周りの農地に悪い影響を与えないか、計画通りに事業が行われる見込みがあるか、といった点について慎重に確認されます。総会は、地域の農地利用について確認する重要な会議です。

申請書を受け付けた後、この総会を経て許可・不許可が決定されるため、許可証がいつ交付されるかは、この総会の開催日に大きく左右されることになります。申請受付締切日と総会の開催日は、事前に市町村のホームページなどで確認することができますので、あらかじめ日程を把握しておくことが大切です。

ステップ3:総会の後、いよいよ許可証が交付される

総会で許可が決まると、許可証の交付に向けた手続きに進みます。ただし、総会が終わってすぐに受け取れるわけではありません。

総会での決定内容に基づき、許可証を作成するなどの事務手続きが必要になります。そのため、総会の開催日からおおむね1週間から2週間ほどで交付の準備が整うのが一般的です。

準備ができましたら、農業委員会から「許可証の準備ができました」という連絡が入ります。その後、窓口で許可証を受け取る、という流れになります。ただし、この期間はあくまで目安です。後述する許可の種類や、自治体の事務処理の状況によって前後することがありますので、ご留意ください。適切な申請のタイミングを見計らうためにも、この期間を考慮に入れておきましょう。

許可証の種類で交付時期は変わる?3条・4条・5条の違い

「自分の申請は、他の人のケースより時間がかかるのだろうか」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。農地法の許可には、主に3つの種類(3条・4条・5条)があり、これによって交付までの期間が変わることがあります。

農地法3条、4条、5条の許可の違いを比較した図解。それぞれの目的と許可権者がイラスト付きで分かりやすく解説されている。
  • 3条許可:農地を農地のまま、他の人に売ったり貸したりする場合
    これは、農地をこれからも農地として使うための許可です。許可を出すのは農業委員会です。
  • 4条許可:農地の所有者が、自分でその土地を宅地など農地以外に使う場合
    例えば、自分の畑に自分の家を建てるケースです。この場合、都道府県知事などの許可が必要になります。
  • 5条許可:農地を宅地など農地以外にする目的で、他の人に売ったり貸したりする場合
    例えば、農地を買った人が、そこに家を建てたり駐車場にしたりするケースです。これも4条と同じく、都道府県知事などの許可が必要です。

ポイントは、「誰が許可を出すか」です。

3条許可は農業委員会が許可を出しますので、総会で決まれば、その後の手続きは比較的スムーズに進みます。一方、4条許可と5条許可は、農業委員会の総会で意見が決まった後、都道府県知事または指定市町村の長による許可の手続きに進むことがあります。

このため、4条・5条許可は、3条許可に比べて1ヶ月ほど長く時間がかかる傾向にあります。ご自身の計画がどの許可にあたるのかを把握し、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。農地法3条許可で取得した農地は、原則としてすぐに他の目的に使うことはできない点も覚えておきましょう。

より詳しい制度については、農林水産省のウェブサイトも参考になります。

参照:農地転用許可制度について(農林水産省)

許可証交付に向けて知っておきたい注意点

最後に、許可証の交付をスムーズに進めるために、知っておきたい3つの注意点をお伝えします。

  1. 書類の不備は計画の遅れに直結する
    提出した申請書に記入漏れがあったり、必要な書類が足りなかったりすると、その月の総会での話し合いに間に合わず、翌月回しになってしまいます。提出前には、市町村の担当窓口で事前に確認してもらうなど、念入りにチェックしましょう。
  2. スケジュールは自治体によって異なる
    この記事で紹介した流れや期間は、あくまで一般的な目安です。受付締切日や総会の開催日、許可証交付までの期間は、市町村によって大きく異なります。必ず、ご自身が申請する市町村の農業委員会の情報を確認するようにしてください。
  3. 許可証を受け取ったら終わりではない
    農地を宅地など他の目的に変えた場合、許可証を受け取った後に、法務局で土地の見た目を表す「地目」を「畑」や「田」から「宅地」などに変更する登記手続きが必要です。この手続きにも許可証が必要になりますので、大切に保管してください。万が一、許可証を紛失してしまった場合の手続きもありますが、手間がかかるため注意が必要です。

申請前には、必ず申請先の農業委員会で受付締切日、総会開催日、許可証交付までの目安を確認してください。

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