Archive for the ‘農地に関する手続き’ Category

新規就農の農地法3条許可申請|流れ・計画書・注意点を解説

2025-11-05

新規就農の夢へ!農地取得の第一歩「農地法第3条許可申請」とは?

「いつかは自分の手で野菜や果物を育ててみたい」「自然豊かな場所で農業を始めたい」そんな素敵な夢を抱いて、このページをご覧になっているのではないでしょうか。しかし、いざ新規就農に向けて準備を始めようとすると、「農地ってどうやって手に入れるの?」「法律の手続きがなんだか難しそう…」といった不安や疑問が次々と湧いてきて、一歩を踏み出すのをためらってしまう方も少なくないと思います。

大丈夫ですよ。どんなに大きな夢も、最初の一歩から始まります。複雑に思える手続きも、一つひとつ順番に理解していけば、必ず道は開けます。

まず、大前提として知っておいていただきたい大切なルールがあります。それは、田んぼや畑といった「農地」を、お金を払って買ったり借りたりする際には、農地の所在する市町村の農業委員会から許可を受ける必要がある、ということです。これが「農地法第3条の許可」と呼ばれるものです。なぜこのような許可が必要かというと、大切な食料を生み出す農地が、農業以外の目的で使われたり、きちんと管理されずに荒れてしまったりするのを防ぐためなのです。

この記事では、新規就農を目指すあなたが農地を手に入れるために避けては通れない「農地法第3条許可申請」について、その流れや重要なポイント、そしてつまずきやすい注意点を、できるだけ分かりやすく解説していきます。この記事を最後まで読めば、手続きの全体像がしっかりと掴め、安心して次の一歩を踏み出せるはずです。一緒に夢への扉を開きましょう。

新規就農における農地法3条許可申請の全体像と流れ

では早速、農地法3条許可申請がどのような流れで進んでいくのか、全体像を見ていきましょう。大きく分けると、以下の4つのステップになります。この流れを頭に入れておくだけで、今自分がどの段階にいるのかが分かり、落ち着いて準備を進めることができます。

  1. ステップ1:農地探しと所有者との話し合い
  2. ステップ2:市町村の農業委員会へ事前相談
  3. ステップ3:必要書類の準備と申請書の提出

一つずつ、具体的に見ていきましょう。

ステップ1:農地探しと所有者との話し合い

何よりもまず、農業を始めるための土地を見つけなければなりません。農地を探す方法はいくつかあります。

  • 全国農地ナビ(農地バンク)を利用する
  • 市町村の農業委員会や農政担当課に相談する
  • 地域のJA(農協)に相談する
  • 地域の不動産業者に問い合わせる

希望に合う農地が見つかったら、次は土地の所有者の方との話し合いです。売買なのか賃貸借なのか、価格や賃料はいくらにするのか、いつから利用するのかなど、大切な条件をしっかりと話し合って合意を形成することが重要です。この段階での丁寧なコミュニケーションが、後のトラブルを防ぐ第一歩となります。

ステップ2:市町村の農業委員会へ事前相談

土地の所有者の方と大筋で合意ができたら、申請書を提出する前に、必ず市町村の農業委員会へ「事前相談」に行きましょう。これは手続きをスムーズに進める上で、非常に重要なステップです。

事前相談では、以下のようなメリットがあります。

  • 申請に必要な書類を具体的に教えてもらえる
  • その地域ならではのルールや注意点を確認できる
  • 作成する「農業経営計画書」についてアドバイスがもらえる
  • 新規就農者としての顔と名前を覚えてもらい、熱意を伝えられる

「こんな計画で農業を始めたいのですが、手続きはどう進めたらいいですか?」と、前向きな姿勢で相談することが大切です。希望する農地の情報や、おおまかな営農計画をメモにまとめて持参すると、話がスムーズに進みます。

ステップ3:必要書類の準備と申請書の提出

事前相談で確認した内容に基づき、いよいよ必要書類を準備します。一般的に必要となるのは、以下のような書類です。

  • 農地法第3条許可申請書
  • 農業経営計画書(営農計画書)
  • 土地の登記事項証明書(法務局で取得)
  • 場所がわかる地図(公図や住宅地図など)
  • 住民票
  • その他、農業委員会が求める書類

特に、新規就農者にとって最も重要になるのが「農業経営計画書(営農計画書)」です。この書類の出来栄えが、許可を左右すると言っても過言ではありません。詳しい作成のポイントは、次の章でじっくり解説します。

書類がすべて揃ったら、農業委員会の窓口に提出します。農業委員会には毎月の申請締切日が設けられていますので、事前に確認し、余裕を持って提出するように心がけましょう。

許可の鍵を握る!農業経営計画書の作成ポイント

新規就農者の申請において、審査の核となるのが「農業経営計画書」です。この書類の作成に、一番時間と労力をかけるべきだと言えるでしょう。ここでは、なぜこの書類が重要なのか、そして、説得力のある計画書を作成するためのポイントを解説します。

木製の机の上で農業経営計画書を丁寧に作成している様子。電卓とペンが置かれ、計画の具体性を示している。

なぜ農業経営計画書が重要なのか?

農業委員会が知りたいのは、「この人に農地を任せて、本当に農業で生計を立て、土地をきちんと管理していけるのだろうか?」という点です。農業経営計画書は、その疑問に答えるための、いわば「あなたの夢と覚悟を伝えるプレゼンテーション資料」です。

単に「頑張ります!」という気持ちだけでは、許可は得られません。あなたの農業に対する本気度、計画の具体性、そして事業としての継続性を、客観的な言葉と数字で示す必要があります。審査員である農業委員の方々に「この人なら、地域の大切な農地を安心して任せられる」と信頼してもらうための、最も大切な書類なのです。

計画書作成で押さえるべき3つのポイント

では、どうすれば説得力のある計画書が作れるのでしょうか。以下の3つのポイントを意識してみてください。

  1. 具体的で現実的な数字を示すこと
    「何を」「どれくらいの面積で」作り、「どのくらいの収穫量」が見込め、「どこへ」「いくらで」販売するのか。そして、そのために必要な種苗代や肥料代、農機具などの「経費はいくらかかる」のか。どんぶり勘定ではなく、地域のJAや農業指導センターなどで情報を集め、できるだけ現実的な数字を積み上げて収支計画を作成しましょう。
  2. 栽培技術や経験をアピールすること
    農業経験が全くない場合、具体的な営農計画や研修計画の提示がないと許可が難しくなることがあります。「農業大学校で2年間学んだ」「先進農家のもとで1年間研修を受けた」といった経験があれば、それは大きなアピールポイントになります。もし経験が浅い場合でも、今後どのように技術を習得していくのか(研修への参加計画など)を具体的に示すことで、熱意を伝えることができます。
  3. 将来のビジョンを明確にすること
    ただ作物を作って売るだけでなく、将来的には「6次産業化に取り組みたい」「地域の子供たちに農業体験の場を提供したい」といった、将来の夢や地域貢献への想いを描くことも大切です。あなたの農業が、地域にとってプラスになる存在であることを伝えましょう。

【失敗事例から学ぶ】新規就農で許可が下りない3つのケースと注意点

ここでは、残念ながら許可が下りなかったケースを基に、新規就農を目指す方が陥りがちな失敗と、その対策について学びましょう。他の方の失敗から学ぶことで、あなたの申請がより確実なものになります。

雑草が伸びた手入れされていない農地と曇り空。新規就農の失敗や困難を暗示するイメージ。

ケース1:「農業経営計画書」の内容が具体的でなかった

「多品目の野菜を少しずつ作って、直売所で販売したい」という計画を提出したAさん。一見すると良さそうですが、それぞれの野菜の作付面積や予想収量、販売価格の見込みが曖昧で、年間の収支計画も大雑把なものでした。農業委員会からは「その計画では、本当に生活していけるのですか?」と計画の実現性を疑問視され、結果として不許可になってしまいました。

【対策】
「なんとなく」ではなく、数字の裏付けを取りましょう。地域の気候や土壌に合った作物は何か、その作物の平均的な収量や市場価格はどのくらいか、事前にしっかりとリサーチすることが不可欠です。地域の農業指導センターやJAは、そうした情報の宝庫です。専門家のアドバイスを受けながら、地に足の着いた計画を立てることが成功への近道です。

ケース2:農地を適切に管理できると思われなかった

広い農地を借りて大規模な農業を始めようとしたBさん。しかし、所有しているのは家庭菜園で使うような小型の耕運機のみで、労働力も自分一人だけでした。農業委員会からは「その面積を、その機械と労働力で本当に管理しきれるのですか?」と指摘され、農地を効率的に利用できないと判断され不許可に。

【対策】
身の丈に合った計画を立てることが重要です。取得したい農地の面積に対して、自分の労働力や所有している(または導入予定の)農業機械が見合っているか、客観的に判断しましょう。もし労働力が不足しているなら、家族の協力体制を具体的に示したり、地域のシルバー人材センターの活用を検討したりするなど、具体的な対策を計画書に盛り込む必要があります。

ケース3:地域とのコミュニケーションを軽視していた

都市部から移住し、念願の農地を見つけたCさん。しかし、手続きを急ぐあまり、地域の慣習やルールをよく確認していませんでした。特に、農業用水の管理や農道の草刈りといった、地域の共同作業についての理解が不足していたため、周囲の農家さんから「あの人に任せて大丈夫だろうか」という不安の声が上がってしまいました。結果、地域からの同意が得られず、申請は通りませんでした。

【対策】
農業は、一人だけで完結する仕事ではありません。水路や農道など、地域で共同管理しているものがたくさんあります。事前相談の段階から、農業委員の方はもちろん、可能であれば近隣の農家さんにも挨拶をし、「この地域の一員として、皆さんと協力しながら農業をやっていきたい」という姿勢を積極的に示すことが非常に大切です。地域の会合などに顔を出すのも良いでしょう。

よくある質問(FAQ)

最後に、新規就農を目指す方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 農業経験が全くなくても農地は取得できますか?

A. 可能性はゼロではありませんが、非常に難しいのが現実です。農業は天候に左右されるなど、知識と経験が求められる仕事だからです。全くの未経験者の場合は、まず農業大学校や先進的な農家さんのもとで研修を受けるなどして、基本的な栽培技術や経営ノウハウを学ぶ計画を立て、その計画を「農業経営計画書」で具体的に示すことが許可の前提条件になるとお考えください。

Q2. 農地取得の下限面積要件がなくなったと聞きましたが…?

A. はい、その通りです。2023年4月1日に農地法が改正され、これまで新規就農の大きな壁となっていた下限面積要件(例えば「50アール(5反)以上の農地がないと許可しない」といったルール)が廃止されました。これにより、小規模な面積からでも農業を始めやすくなったのは大きなメリットです。ただし、面積要件がなくなったからといって、誰でも簡単に許可が下りるわけではありません。たとえ小さな農地であっても、その土地を最大限に活用し、継続的に農業を営むためのしっかりとした計画が求められることに変わりはありません。

参考:地域計画(地域農業経営基盤強化促進計画)

Q3. 申請してから許可が下りるまで、どのくらいの期間がかかりますか?

A. 自治体により異なりますが、通常は申請後1か月〜数か月かかることがあります。各市町村の農業委員会の審査スケジュールを事前に確認してください。これは書類に不備がなく、スムーズに審査が進んだ場合の目安です。計画の内容について追加で質問されたり、現地調査が必要になったりすると、さらに時間がかかることもあります。就農したい時期から逆算して、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。

新規就農の手続きに不安なら専門家への相談も一つの方法です

ここまで、新規就農のための農地法第3条許可申請について解説してきましたが、「やっぱり自分一人で全部やるのは大変そう…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。特に、農業経営計画書の作成は、多くの方が頭を悩ませるポイントです。

当事務所のサポート事例

新規就農を目指すご相談者様の多くは、熱意や夢はお持ちですが、それを「計画書」という形にする段階でつまずいてしまいます。「何を書けばいいのか」「どんな数字を入れればいいのか」という漠然とした不安を抱えていらっしゃいました。

当事務所では、まずご相談者様の「どんな農業をしたいのか」という想いをじっくりとお伺いすることから始めます。そして、その夢を実現可能な計画に落とし込むため、一緒に考え、具体的な数字を組み立てていきます。申請書や農業経営計画書の作成支援、提出書類の確認や当該手続きに関する助言を行います。必要に応じて審査会への同席を相談のうえ対応します。ただし許可の可否を保証するものではありません。

煩雑な手続きは専門家に任せ、ご自身は栽培技術の習得や農地での準備に集中したいという方も、ぜひ一度ご相談ください。

手続き面での支援を行います。まずはご相談ください。どんな些細なことでも構いません。もし手続きに不安を感じたら、一人で抱え込まずに、どうぞお気軽にお声がけください。

ご相談はお問い合わせはこちらからお待ちしております。

一団の農地の判断基準について

2025-10-15

市街化調整区域や非線引き区域、都市計画区域外の土地において農地転用許可申請を進める場合、農地区分を確認する必要がございます。第1種農地は原則不許可、第3種農地は原則許可など、農地区分により許可を受けられるかどうかが大きく変わってきます。

例えば第1種農地は『おおむね10ヘクタール以上の規模の一団の農地の区域内にある農地』との要件がございます。この要件の中の『一団の農地』とは、山林、宅地、河川、高速自動車道等農業機械が横断することができない土地により囲まれた集団的に存在する農地をいうと規定されています。

一団の農地の区域内に道路・水路などがある場合であっても、実際に農業機械が容易に横断し又は迂回することができ、一体として利用することに支障があると認められない場合には、一団の農地と判断されます。

農地と農地の間にある道路の交通量が少なく、道幅がそれほど広くない場合は容易に横断することが可能であることから、一団の農地と判断されます。常時交通量が多い、片側二車線で中央分離帯が設置されている国道などは容易に横断をすることはできないため、一団の農地には当たらないと判断されます。

コンクリート工作物が設置されている水路や農業用排水施設の場合、許可を受けて蓋を掛けることにより容易に横断が可能となることから、この場合は一団の農地と判断されます。素掘りの水路や農業用排水施設の場合、道路を利用することにより容易に迂回可能な場合も一団の農地と判断されます。常時水が張っており、水路幅がおおむね10メートル超えていることから河川と同レベルの水路と認められた場合は、容易に横断をすることができないことから一団の農地には該当しないと判断されます。

一団の農地に該当するか否かは農業委員会事務局が現地を調査のうえ判断を行いますので、農地転用許可申請を考えている場合は必ず農業委員会事務局にて農地区分の確認を行うよう心掛けましょう。

農地法第3条許可申請書 譲渡人・譲受人欄記載例について

2025-09-29

農地を購入する場合や、賃貸借・使用貸借などにて借り入れる場合、農地法第3条許可申請書を農地が存在する農業委員会事務局に提出する必要があります。農地法第4条・5条の規定に基づく手続きの場合、市街化区域に存在する農地であれば届出にて手続きを進めることができますが、農地法第3条許可申請の場合は市街化区域・市街化調整区域・非線引き区域・都市計画区域外にかかわらず許可申請書の提出が必要になります。

農地法第3条許可申請手続きを行う際、譲受人(農地を購入される方・借り入れる方)が1名の場合、譲渡人(農地を売却される方・貸す方)が複数人であっても1つの申請書にて手続きを進めることが可能です。

〇〇市〇〇町〇〇番の農地は甲所有、〇〇番の場合の農地は乙所有の場合、申請書の1の欄の別紙に乙の住所、氏名などを記入することにより、1申請で許可手続きを進めることが可能です。委任状を作成する際も、1枚の委任状に譲渡人2名、譲受人1名の記名押印で問題ございません。

譲渡人・譲受人ごとに申請書を作成する必要がありますかとのお問い合わせをいただくことが多いですが、1つの申請書にまとめて手続きを行うことが可能ですとお伝えしますと安心される方が多い印象です。申請書の書き方などで少し確認をしてみたいという問い合わせにも対応をしておりますので、お気軽にご相談ください。

太陽光発電設備設置を転用目的とした許可申請の場合の太陽光パネル設置面積について

2025-09-08

太陽光発電設備設置を目的とした農地転用許可申請に関する相談件数が増加傾向にあります。農地転用許可申請に加え、条例に基づく手続きや「周辺地域の住民」の範囲に関する相談、埋蔵文化財包蔵地に該当するかどうか、農業振興区域内に該当するかなど農地法以外の調査項目も多数含まれますので、申請前に詳細な調査が必要になります。

詳細な事前調査を終え、転用見込みのある土地であるとの回答を農業委員会事務局よりなされた場合に土地利用計画図などを作成し申請に備えることになります。許可申請地に太陽光パネルをあまり設置せず空地が目立つ状態ですと、許可申請を受け付けていただくことはできません。

目安として、許可申請地の面積に対して設置する太陽光パネルの面積が40%以上の場合は許可申請を受け付けていただけることが多い印象です。40%という数値だけをみますと空地が目立ちそうな印象を受けますが、太陽光パネルの離隔距離を考慮して配置をしますと、敷地全域に満遍なく太陽光パネルが設置されているイメージになります。

農地転用許可申請を行う面積が決まりましたら、設置する太陽光パネルの面積が40%以上になるように気をつけながら土地利用計画図を作成されますようご留意いただけますと幸いに思います。

農業用水情報を確認しましょう

2025-09-01

昨年に引き続き、今夏も災害級の猛暑が続いております。9月も40度近くまで気温が上昇する日も予想されておりますので、十分な熱中症対策が必要です。

農作業を行う際には万全な熱中症対策に加え、農業用水の確保も必要になります。梅雨の時期の降水量が少なかった地域は農業用ため池の水位が底をつきてしまったとの報道もあり、農作物生育被害も報道されています。

栃木県では県のウェブサイトから農業用水情報を確認することができます。下記URLより確認可能です。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g07/yousuijyouhousangyo.html

月に2回こまめに情報更新がされており、今年度分のバックナンバーも確認することが可能です。栃木県内のダム貯水率は平年と比べますと高いパーセンテージを確保できておりますが、貯水率は100%を下回っています。直近1ヶ月の降水量は平年と比べると約70%に留まっておりますので、さらなる貯水率の低下も考えられます。

向こう3ヶ月間の降水量は平年並みとの予報が出ておりますが、平均気温は平年よりも高めになる予報が出ていることもあり、貯水率の改善はなかなか進まないものと考えます。農業用水情報資料はグラフを用い分かりやすく記載されておりますので、定期的に確認をして農業用水の確保を図るよう心がけてください。

農作物に対する高温技術対策を行いましょう

2025-07-14

現時点で関東地方では梅雨明け発表は行われておりませんが、6月末から連日厳しい暑さが続いております。これから夏本番を迎えますので、ますます厳しい暑さが続くものと思われます。

今夏は全国的に猛暑が続く見とおしで、農作物の生育等に影響が出るのではないかとの懸念があります。高温対策を施すことにより幾分か農作物への被害を未然に防ぐことができますので、適切な対策を施すことが重要です。

栃木県のウェブサイトには高温に対する農作物被害防止対策が掲載されており、下記URLより確認をすることができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g54/r7_0711kouonntaisaku.html

水稲、野菜・果樹類はもちろん、花きや畜産物の高温対策に加え、前回の記事で載せました熱中症対策につきましても記載されています。各項目とも詳細に記されておりますので、是非一度目を通していただけますと幸いです。

農作業安全対策として熱中症対策が義務化されました

2025-06-23

現在関東地方は梅雨の時期になりますが、ここ数日梅雨が明けたのかと思うくらい猛暑が続いております。急に暑くなったことから、身体が暑さに慣れておらず熱中症による体調不良者も増えてきております。

労働者の熱中症の重篤化による死亡災害を防止することを目的として、厚生労働省は労働安全衛生規則を改正し、令和7年6月1日(日)より労働者を雇用するすべての事業者に対し、労働者への熱中症対策が義務付けられました。この規制の対象となる事業者には、労働者を雇用する農業者も含まれます。

農業法人を営んでいるものはもちろん、家族経営であっても労働者として雇用をしている農業者は事業者とみなされますので、改正労働安全衛生規則の適用を受けることになります。熱中症の重篤化を防止するため関係作業者へ周知することが義務付けられました。下記URLより詳細を確認することができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g04/nousagyouanzen.html

厳しい暑さはまだまだこれから3ヵ月以上続きます。適切な熱中症対策を行い、無理なく農作業を行っていただけますと幸いです。

栃木県で農家民宿開業セミナーが開かれます

2025-06-17

栃木県において農家民宿開業セミナーが開催されます。直近では6月24日(火) 13時30分から15時30分までにて、栃木県庁 下都賀庁舎 第2福利厚生棟2階会議室にて行われます。詳しくは下記URLより確認をすることができます。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/g02/green/seminar1-1.html

農家民宿の開業に必要な手続や運営のポイントなどの講義のほかに加え、実際に農家民宿を経営している方からの事例発表や意見交換も行われます。受講対象者は農業経営者がメインになりますが、観光事業関係者や地域振興事業関係者も受講可能です。

農家民宿を開業するには旅館業法の許可を受ける必要があります。住宅宿泊事業法の届出を行うことで開業することができる民泊制度とはクリアしなければならない項目も異なりますので、事前に法令などをよく確認をする必要があります。そのほかにも都市計画法や農地法、建築基準法や消防法など各種関係法令の許認可手続きも進めていく必要がございます。

農家民宿は民泊とは異なり、農林漁業に関する体験も行うことができるのが魅力の一つとなっております。実際に収穫した新鮮な野菜などを調理して食べることも楽しみの一つになります。宿泊する部屋よりも調理場の充実が好まれる傾向にあります。

弊事務所では開業当初から農家民宿に関する許認可手続きにつき調査研究を行っており、現在も継続して調査結果を行っております。農業体験だけでなく海なし県の漁業についての調査研究も行っており、海なし県で漁業体験可能な農林漁業民宿に関する許認可手続きに携わることを目標としております。農林漁業民宿に関する相談につきましては依頼者様と伴走しながら支援を行うことができればと思っております。

農地転用許可後の工事完了報告 申請人居住用住宅建築の際の添付書類について

2025-06-09

申請人が居住する住宅建築を目的とした農地転用許可申請を行い、無事許可がなされた後工事に着手することになります。工事が完了となりましたら遅滞なく工事完了報告書を農業委員会事務局に提出する必要がございます。

添付書類として完了状況が分かる配置図および現地写真に加え、農地転用許可申請と同時に開発行為許可申請を受けた場合は開発工事検査済証、建築基準法に基づく検査を受ける場合は建物の検査済証も一緒に添付する必要があります。

農地転用を受けた土地が都市計画区域外に存在する場合、一定の規模以下の建築物であれば建築確認申請不要で住宅を建築することができることから、建物完成後に建物の工事完了検査も不要で引き渡しが行われます。そのため、建物工事検査済証の交付もございません。

申請人が居住する住宅建築を目的として農地転用許可を受けた際、建築された住宅の所有者が農地転用許可申請者で相違ないかを確認することを目的として、建物工事検査済証の代わりに登記完了証の写しの添付を求められることもございます。所有権保存登記まで完了している登記完了証までを添付するのがより好ましいですが、表題登記完了時点での登記完了証の添付のみでも工事完了報告書を受け付けていただけることもございます。

弊事務所では農業委員会事務局から建物工事検査済証の代わりとなる添付書類を求められた際、慌てることなく代わりとなる添付書類の確認を行い提出するよう心がけております。申請時点だけでなく工事完了時点まできちんとサポートを行っておりますので、完了報告書提出の際にお悩みになられましたらいつでもお気軽にお問い合わせください。

太陽光発電設備を目的とした農地転用許可申請 事業計画書について

2025-06-02

農地転用許可申請を行う場合、添付書類として事業計画書が求められます。事業計画書には転用行為の必要性や土地の選定理由、収支計画など詳細な記載が必要になります。太陽光発電設備を目的とした事業計画書は、ほかの転用目的とは異なる項目も記載する必要があります。

収支計画書の支出項目に太陽光パネルや架台などの撤去・処分費用も記載する必要があります。住宅などを建てるための収支計画書には撤去・処分費用の記載までは求められていないことから記載を忘れがちですので注意が必要です。

撤去・処分費用が発生するのは売電事業を終える20年後になります。20年後に発生する費用の計上を許可申請時に算出することはとても難しいものがあります。設置にかかる費用全額を金融機関などから融資を受ける場合、あらかじめ処分・撤去費用までを含めた額を融資していただくのも難しいものと思います。

許可申請時点で処分・撤去費用を算出・計上することが困難な場合は、売電収入を撤去・処分費用として積み立てる旨を記載すれば認められるケースもございます。売電収入から積み立てを行う計画の場合は、撤去・処分費用を考慮した売電シミュレーションの作成が必要になります。

周辺農地への被害防除対策として雑草対策の記載も求められます。住宅や駐車場敷地などとは異なり、太陽光発電設備用地には常時人がいないことから、きちんと管理が行き届くか心配な面があります。雑草の種子が周囲の農地に飛散するおそれがあることから、この項目は必ず記載しなければなりません。

弊事務所では太陽光発電設備を目的とした農地転用許可の実績も多数ございますので、事業計画書の記載方法でお悩みになられましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

« Older Entries

keyboard_arrow_up

0283225411電話番号リンク 問い合わせバナー